王者は“3度目のベテルビエフ”を選ぶのか ビボルvsカラム・スミスは交渉決裂、8月27日プエルトリコで入札へ

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ライトヘビー級、動きそうで動かないですね〜。

8月12日にBoxGongでも取り上げたWBOのビボルvsカラム・スミス指令、その交渉期限が8月20日でした。結論から言うと、まとまりませんでした。8月21日、WBOのグスタボ・オリビエリ会長が自身のXで「交渉期間内に条件の合意に至らなかったため、本件は入札手続きに進む」と告知しました。入札日は8月27日、プエルトリコ・サンフアンのWBO本部です。

で、ここからが面白いというか、ややこしいというか。プロモーターのエディ・ハーンが「ビボルはベルトを手放してでもベテルビエフとの3戦目をやりたがるかもしれない」と言い出しているんですよね。指名挑戦者が待っているのに、王者の心は別のところにある。よくある話ですけど、今回はけっこうリアルに聞こえます笑

ドミトリー・ビボル

🥊 ドミトリー・ビボル(ロシア)

VS
カラム・スミス

🥊 カラム・スミス(英国)

🥊 現在の状況

項目 内容
カード ドミトリー・ビボル vs カラム・スミス
タイトル WBO世界ライトヘビー級王座(正規)の指名試合
※スミスが持つのはWBO「暫定」王座
指令日 2026年7月6日(当初20日間の交渉期間)
交渉期限 延長を経て8月20日 → 合意に至らず
入札 8月27日/プエルトリコ・サンフアンのWBO本部

🥊 なぜ両陣営はまとまらなかったのか

ここ、けっこう不思議なんですよ。というのも、ビボルもスミスも同じマッチルーム所属なんです。普通なら社内調整で済む話のはず。

ではなぜ長引いたのか。ひとつは会場です。マッチルームのフランク・スミスCEOは、開催地の候補として①スミスの地元リバプール、②ビボルの母国ロシア、③中立地モナコの3つを挙げています。リバプールならスミスの大観衆が味方につきますが、王者に完全アウェーを飲ませることになる。ロシアは逆にスミス側が不利で、しかも資金の出し手を国内で確保しないといけない。モナコは中立ですが会場が小さく、チケット収入が細る分を放映権やスポンサーで埋める必要がある。

もうひとつが、もっと根っこの部分。ハーンは「ビボルはWBO王座を返上して、アルツール・ベテルビエフとの3戦目に向かうかもしれない」と繰り返し口にしています。ビボルは2024年10月にベテルビエフに大差でない判定(マジョリティ・デシジョン)で敗れてプロ初黒星を喫し、2025年2月の即再戦を同じくマジョリティ・デシジョンで奪い返しました。1勝1敗。しかもどちらも僅差。3戦目のカネになる度合いは、正直スミス戦の比ではありません。

要するに、指名挑戦を「やらなきゃいけない試合」として処理するのか、それともベルトを置いて「やりたい試合」に行くのか。今回の入札は、その意思表示を迫られる場でもあるわけです。

🥊 ドミトリー・ビボルという王者

戦績25勝(12KO)1敗。現在はThe Ring、IBF、WBA、WBOのライトヘビー級ベルトを保持していて、リング誌のパウンド・フォー・パウンドでは6位。2025年4月にはWBC王座を返上しています。

ただ、体はけっこうボロボロなんですよね。2025年8月に背中の手術。そこから復帰したのが2026年5月30日、ロシア・エカテリンブルクでのIBF指名挑戦者ミカエル・アイファート戦でした。この試合は初回にダウンを奪って大差判定勝ち、内容は文句なし。ところがその後、7月に今度は左肘の手術を受けています。マネジャーのバディム・コルニロフは「年内には戻ってこられる」としていますが、8月27日に入札が成立したとして、そこから逆算すると日程はかなりタイトです。

🥊 待ちすぎているカラム・スミス

一方の36歳、カラム・スミスは31勝(22KO)2敗。元WBA世界スーパーミドル級王者でThe Ring王者でもあった実力者です。

スミスがWBO暫定王座を獲ったのは2025年2月、ジョシュア・ブアツィを判定で下した一戦でした。しかもその舞台はビボルvsベテルビエフ第2戦のアンダーカード。同じ夜、同じリングで、片や王座奪回、片や暫定戴冠。あれから1年半、スミスは一度もリングに上がっていません。

身長でビボルより3インチ(約7.6cm)、リーチで6インチ(約15cm)上回るという体格差はそのまま武器になりますし、リング誌の同級ランキングでも2位。実力も序列も、挑戦者として文句のつけようがない。足りていないのは「試合」だけ、というのが今のスミスです。

もしビボルが返上すれば、ハーンはスミスvsブアツィの再戦を空位のWBO王座決定戦として組む腹づもりだといいます。スミス本人はそれを望んでいなくて、talkSPORTには「聞いている限り、ビボルは次に俺とやりたがっている」と語っています。

1年半も試合してねぇ挑戦者と、肘を切ったばっかりの王者。どっちも万全じゃねぇんだよ。だから話がまとまらねぇんだろ。

トレーナー
トレーナー

初心者くん
初心者くん
え、そうなんですか? でも同じプロモーターなのにケンカしてるみたいで不思議です…

ケンカじゃねぇ。同じ会社だからこそ、どっちの取り分を厚くするか自分で決めなきゃいけねぇんだよ。決められねぇから団体に丸投げして入札だ。情けねぇ話だろ。

トレーナー
トレーナー

初心者くん
初心者くん
なるほど〜! 入札で他のプロモーターが落札しちゃうこともあるんですね。それはそれで見てみたいかも…!

📣 Xポスト

まずはWBOのオリビエリ会長本人による告知から。「入札手続きに進む」とはっきり書かれています。

※表示されない場合はこちらのポストから直接ご確認ください。

一方でマッチルームのフランク・スミスCEOは「来週入札がある」と認めつつ、それでも試合は実現すると強気です。

※表示されない場合はこちらのポストから直接ご確認ください。

🥊 ライトヘビー級はこの先どうなる?

この階級、下からも人が上がってきています。BoxGongでは先日、10月3日にIBF最終挑戦者決定戦に臨むベン・ウィテカーの話も取り上げましたが、あちらを勝ち抜けばIBF側の指名挑戦者としてビボルの前に立つことになります。

つまりビボルは、WBO(カラム・スミス)とIBF(ウィテカーvsウォレスの勝者)から同時に順番待ちを食らっている状態。そこにベテルビエフ3戦目という「一番おいしい皿」がある。4本のベルトを全部抱えたまま好きな試合だけをやる、というのは物理的にもう無理な段階に来ています。どれかは必ず落とすことになる。

📝 管理人の予想

まず入札そのものについて。マッチルームが両者を抱えている以上、外部が競り勝つ可能性は低く、落札するのはマッチルームだろうと見ています(信頼度○)。ただし「落札=試合成立」ではないのがこの一件のややこしいところで、私はビボルがWBO王座を返上してベテルビエフ3戦目に向かう線を五分五分と見ています。肘の手術明けという状況を考えると、なおさら「1試合の価値」を優先したくなるはずなので。

その上で、もし実際にビボルvsスミスが組まれた場合の予想は、ビボルの判定勝ち(信頼度○)。1年半のブランクは体格差やパンチ力で埋められる類のものではないですし、ビボルの12ラウンド通しての精度はアイファート戦を見る限り落ちていません。スミスにチャンスがあるとすれば、肘の状態が万全でないビボルが早い回に強引に来た瞬間、そこだけだと思います。

📌 まとめ

WBOライトヘビー級の指名試合ビボルvsカラム・スミスは8月20日の交渉期限までに合意できず、8月27日にプエルトリコ・サンフアンのWBO本部で入札が行われることが決まりました。両者とも同じマッチルーム所属ながら、会場(リバプール/ロシア/モナコ)と条件で折り合わず。ハーンはビボルがベルトを返上してベテルビエフとの3戦目に向かう可能性を示唆しており、返上ならスミスvsブアツィの空位決定戦が浮上します。まずは27日の入札結果に注目です。

正直、この階級はここ2年ずっと「ビボルとベテルビエフ以外の話が進まない」状態が続いています。カラム・スミスもウィテカーも力のある選手なので、そろそろ順番が回ってきてほしいところ。27日、どんな結果が出るか一緒に見届けましょう!

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