チャンピオンになれば試合が増える。ボクシングを見始めた頃、私はなんとなくそう思っていました。ベルトを持ってるんだから、みんな挑戦したがるでしょ、と。
ところが現実は逆だったりするんですよね。強すぎる王者ほど、挑戦者が見つからない。日本スーパーバンタム級王者・池側純(28)=角海老宝石=が、まさにその状態でした。
その池側の2度目の防衛戦が、ようやく決まりました。9月8日(火)、東京・後楽園ホール。相手は日本同級14位の鶴海高士(29)=石田=です。しかもこの日は、同じリングでOPBF東洋太平洋ライト級王者・今永虎雅(27)=大橋=の初防衛戦、さらに1000万円トーナメントの準決勝2試合まで組まれている、めちゃくちゃ濃い一夜になります。
🏆 池側 純(角海老宝石/日本スーパーバンタム級王者)
🥊 試合情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試合日 | 2026年9月8日(火)18:00開始 |
| 会場 | 後楽園ホール(東京・文京区) |
| メイン | 日本スーパーバンタム級タイトルマッチ10回戦 池側 純(角海老宝石/王者) vs 鶴海 高士(石田/同級14位) |
| セミ | OPBF東洋太平洋ライト級タイトルマッチ10回戦 今永 虎雅(大橋/王者) vs ジュン・ミンホ(韓国/同級6位) |
| 第4試合 | Sフェザー級1000万円トーナメント準決勝8回戦 木村 蓮太朗(駿河男児) vs 渡邊 海(ライオンズ) |
| 第3試合 | Sフェザー級1000万円トーナメント準決勝8回戦 松本 圭佑(大橋) vs 木谷 陸(KG大和) |
| 配信 | Leminoプレミアムで独占生配信(9/8 17:45〜/アーカイブ23:00〜) |
🥊 池側純 ── 誰も受けてくれなかった王者
池側は今年1月、石井渡士也(現OPBF王者)を9回TKOで下して日本タイトルを奪いました。5月の初防衛戦では大嶋剣心を7回TKO。チャンピオンカーニバルMVPと月間MVPを連続受賞して、一気に国内トップ戦線のど真ん中に立った選手です。戦績は10勝(4KO)1敗3分。スーパーバンタム級のWBC9位、OPBF1位にも名前が載っています。
ところが、そこからが長かった。挑戦者がまったく決まらないんですよね。ランカーに片っ端から声をかけても断られる。特例で外国人選手を呼ぶ案まで出たそうですが、それだと日本タイトルマッチとしてどうなの、という話になって流れたそうです。
「ほとんどのランカーの方が受けてくれなかった。そんな中で受けてくれた鶴海選手にリスペクトを持って、当日は勝ちに行きます」
—— 池側純(7月13日の発表会見)
王者になったら試合がどんどん決まると思っていたのに、こんなに決まらないものなんだ、と本人も驚いたそうです。最悪、年内あと1回できればいい──そこまで覚悟していたところに、6月にランク入りしたばかりの鶴海が手を挙げてくれた。だから今回の防衛戦、池側にとっては「待ってようやく来た1試合」なんですよね。
🥊 鶴海高士 ── 手を挙げたのは階級を上げてきた男
その鶴海、もともとバンタム級を主戦場にしていた選手です。6月にバンタム級8回戦で手島和樹(ミサイル工藤)を初回KOし、それでスーパーバンタム級のランキングに入ってきました。戦績は10勝(5KO)7敗2分。数字だけ見れば王者より星は悪いですが、7敗を積んでもリングに立ち続け、しかも誰も受けなかった王者に自分から挑戦を表明した。ここがこの試合の一番おもしろいところだと思います。
会見では「挑戦者らしく前に出て、ベルトを奪いに行きます」と短く言い切りました。池側のほうも鶴海のことを最初はよく知らず、以前アンダーカードで見かけた程度だったそうで、決定後に映像を見て研究したとのこと。お互いに手の内を知らない同士の日本タイトルマッチ、というのは意外とスリリングです。
|
王者が「相手が見つからない」ってのは、褒め言葉みたいなもんだ。誰もリスクを取りたくねえってことだからな。だが受けた側の腹のくくり方も見てやれよ。ああいうのが番狂わせを起こすんだ。
|
![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
え、王者なのに試合が決まらないことってあるんですね……。てっきり挑戦者が列を作ってるのかと思ってました。
|
🥊 セミは今永虎雅の東洋初防衛戦
🥊 今永 虎雅(大橋)
セミファイナルもかなり見応えがあります。アマチュアで10冠、アマ戦績126戦113勝(26RSC)13敗という規格外の実績を引っさげてプロ入りした今永虎雅の、OPBF初防衛戦です。
今永は昨年暮れ、サウジアラビアでエリディソン・ガルシアに敗れてプロ初黒星を喫しました。その再起戦が今年6月の大阪。仲里周磨の持つOPBF東洋太平洋ライト級王座に挑み、接戦を判定で制してベルトを巻いています。返上した日本タイトルに続く2本目のベルトでした。
今回は6月の戴冠から3か月というハイペースで初防衛戦。本人は「これからどんどん勝っていって、次のレベルに上がりたい」とやる気満々です。相手のジュン・ミンホ(韓国・OPBF同級6位)は日本のトップ選手ともたびたび拳を交えてきたおなじみの相手で、前戦では仲里と空位のOPBF王座を争って判定負けしています。つまり「仲里に負けた男」が「仲里に勝った男」に挑む構図。地味に因縁があります。
🥊 1000万円トーナメントもいよいよ準決勝
そしてこの日はもう一つ、1年かけて進んできたスーパーフェザー級1000万円トーナメントの準決勝2試合も行われます。勝ち残ったのは日本同級1位の木村蓮太朗(駿河男児)、同2位の木谷陸(KG大和)、元WBO-AP王者の渡邊海(ライオンズ)、元日本フェザー級王者の松本圭佑(大橋)という4人。スーパーフェザー級の国内上位がきれいに残った形です。
組み合わせは木村-渡邊、松本-木谷。木村と渡邊はスパーリング経験もあって「できればやりたくなかった」(木村)という間柄だそうですが、決まった以上はバチバチにやると言い切っています。松本と木谷については、こちらの記事でも詳しく触れました。
さらに第1試合では日本ヘビー級1位・大沼ケン(角海老宝石)が同2位・松田尚之(ARITOMI)と、第2試合では荒竹一真(大橋)がカート・ジョン・パブラル(比)と対戦します。日本タイトル、東洋タイトル、賞金トーナメント、ヘビー級のランカー対決。1枚のチケットでこれ全部というのは、後楽園ホールらしい詰め込み方でめちゃくちゃお得だと思います。
|
日本タイトル、東洋タイトル、トーナメント準決勝が一晩で見られるんだぞ。世界戦だけ追っかけてるようじゃ半人前だ。国内の層の厚さってのはこういう興行に出るんだよ。
|
![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
なるほど〜! 配信もあるって聞いたので、家からでも追いかけられそうです。やってみます!
|
📣 配信情報のXポスト
8月24日には、この興行と9月21日の続編がLeminoプレミアムで独占生配信されることも発表されました。
「フェニックスバトル160&161」
Leminoプレミアムで生配信決定🔥https://t.co/Qkbk4fqq2L<フェニックスバトル160>
生配信:9/8(火)17:45~
アーカイブ:9/8(火)23:00~<フェニックスバトル161>
生配信:9/21(月・祝)13:00~
アーカイブ:9/21(月・祝)23:00~ pic.twitter.com/jVnQccsEf4— モデルプレス (@modelpress) August 24, 2026
※表示されない場合はこちらのポストから直接ご確認ください。
📝 管理人の予想
メインは池側のTKO勝ちを予想します(信頼度○)。ここ2戦がどちらも中盤以降のTKO決着で、しかもサウスポーからの右で相手を削っていく形が完全に噛み合っている。鶴海は階級を上げてきたばかりで、ボディの効き方が変わってくる階級でもあります。7〜9回あたりでの決着が濃厚とみます。セミの今永は、ジュン・ミンホがタフでなかなか倒れないタイプなので判定勝ち(信頼度◎)。ただ今永は初黒星から立て直している最中で、内容にはこだわってくるはず。強引に倒しにいって足元をすくわれる展開だけは避けてほしいところです。
📌 まとめ
9月8日の後楽園ホールは、日本スーパーバンタム級・池側純のV2戦、OPBFライト級・今永虎雅の初防衛戦、そして1000万円トーナメント準決勝2試合という、国内タイトル戦線の主役級が一気に並ぶ一夜になります。「誰も挑戦を受けてくれなかった王者」と「自分から手を挙げた挑戦者」という構図のメインは、数字以上に読めない試合。Leminoプレミアムでの生配信も決まったので、会場に行けなくても追いかけられます。
世界戦のような派手さはないかもしれませんが、こういう興行こそ日本のボクシングの体力が見える場所なんですよね。9月8日、ぜひチェックしてみてください!




コメント