今年1月にシャクール・スティーブンソンへ完敗して、正直「テオフィモ・ロペスはもう終わったのかな」と思っていた人、けっこう多かったんじゃないでしょうか。私もそのひとりでした。
ところが本人はそこから7カ月で、しかも階級をひとつ上げて世界戦のリングに戻ってきた。そして8月22日(日本時間23日)、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、WBA世界ウェルター級スーパー王者ローランド・”ロリー”・ロメロを判定で下し、3階級制覇を達成してしまいました。
しかも内容が渋い。5回に右目の上をぱっくり切られて血まみれになりながら、そこから淡々と試合を組み立て直しての勝利です。派手なKOはなかったけど、ロペスというボクサーの「したたかさ」がいちばん出た夜だったと思います。
🏆 テオフィモ・ロペス(米・ブルックリン)
🥊 ローランド・ロメロ(米・ラスベガス)
🥊 試合結果
| 日時・会場 | 2026年8月22日(日本時間23日) T-モバイル・アリーナ(米ネバダ州ラスベガス) |
| タイトル・階級 | WBA世界ウェルター級スーパー王座戦(12回戦) |
| 勝者 | テオフィモ・ロペス(米国)=新王者 |
| 敗者 | ローランド・ロメロ(米国)=前王者 |
| 決着 | 12回2-0のマジョリティ判定 |
| 🏆 テオフィモ・ロペス 23勝(13KO)2敗 |
VS | ローランド・ロメロ 17勝(13KO)3敗 |
| マジョリティ判定2-0(12R) / T-モバイル・アリーナ(ラスベガス) | ||
🥊 ジャッジの採点
| ジャッジ | ロペス ✓ | ロメロ |
|---|---|---|
| ティム・チータム(米) | 116 | 112 |
| マックス・デルーカ(米) | 115 | 113 |
| グレン・フェルドマン(米) | 114 | 114 |
※フェルドマン氏だけがドロー採点。3人のうち2人がロペスを支持した「マジョリティ判定」での決着でした。なお海外の主要メディアの非公式採点では118-110でロペスという、公式よりかなり開いた数字も出ています。
🥊 ラウンドごとの流れ
| 1〜3R | ロペスがジワリと前に出てジャブから左フック、右ストレート。ロメロは足を使って左フックのカウンターを狙うも完全に後手。ロペスが上下に右ストレートを散らして主導権を握る。 |
| 4R | ようやくロメロが手を出し始める。ロペスをぐらつかせ、このラウンドを取り返す。 |
| 5R(最大の山場) | それまで左フックを合わせていたロメロが、一転して右フックのカウンターを叩き込みロペスが大きくグラつく。続く連打でロペスは倒れ込んだが、これはスリップ裁定。さらにロペスは右目の上をカットし激しく出血した。 |
| 6〜7R | ロペスが立て直して流れを引き戻す。ただし7回終盤にもロメロの左フック・カウンターでロペスがグラつく場面あり。 |
| 8〜11R | カットが落ち着くとロペスの手数と正確さが再び上回る。10回はロペスが攻め、ロメロは後退してカウンターを狙うが不発。11回は互いの右ストレートと左フックが交錯。 |
| 12R | ロメロは逆転に必要な一発を最後まで出せず。思い切った打ち合いのないまま終了ゴング。両者が勝利をアピールしたが、軍配はロペスに上がった。 |
🥊 試合を振り返ると…
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ロメロのやつ、5回でロペスをあれだけ効かせといて何やってんだ。あそこで一気に行けなきゃ王者なんて名乗るな。待ってりゃ相手が勝手に落ちてくると思ってんのか、甘えんな。
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![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
え、でもロメロ選手は一発の強い選手なんですよね? 最後まで狙い続けるのって作戦としてはアリじゃないんですか?
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アリはアリだ。だがな、狙うにも「打たせて誘う」のと「ただ下がってるだけ」は別モンだろ。今日のロメロは後半ずっと後者だ。12回制ってのは手を出さなきゃ点が入らねえ。ジャッジは殴った方に入れるに決まってんだろ。
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![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
なるほど〜! ロペス選手は目の上を切っても慌てなかったのがすごいですね。あそこで焦って打ち合ってたら危なかったのかも…。
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そこが今日いちばんの見どころだ。ロペスは元々あの右目の古傷が弱点でな、切れた瞬間に勝負を急ぐ選手は山ほどいる。あいつは逆にジャブとボディに戻した。頭が冷えてるってのはああいうことだ、覚えとけ。
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![]() トレーナー |
🥊 ふたりがここに辿り着くまで
ロペスは2020年、当時ライト級で君臨していたワシル・ロマチェンコを判定で下して一気にスターダムへ。その後スーパーライト級でジョシュ・テイラーからWBO王座を奪い2階級制覇を果たしましたが、今年1月にシャクール・スティーブンソンに3者フルマークに近い完敗を喫してベルトを失っています。あのときの内容が本当にひどくて、私も「もう一度上に行けるのかな」と正直思っていました。
それが7カ月後にウェルター級デビュー、いきなり世界戦、そして戴冠。負けたあとの立て直し方としては、ちょっと異常なスピード感です。
一方のロメロは、地元ラスベガス出身の人気者。2025年5月、ニューヨークのタイムズスクエアに設営された特設リングでライアン・ガルシアを判定で下し、WBA世界ウェルター級レギュラー王座を獲得しました。その3週間後、ジャロン・エニスが階級を上げるためにベルトを返上したことで「スーパー王者」に格上げされ、今回が昇格後の初防衛戦。つまり、キャリアで最も良い位置に立った状態で迎えた一戦だったわけです。
ちなみにこの2人、リングの外では長年の友人同士。ロペスがロメロのスパーリングパートナーだった時期もあり、試合前は「友情はいったん置いておく」と互いに語っていました。それだけに、判定後のロメロが不服そうな表情のままリングを降り、放送局のインタビューにもほとんど応じなかったのは、なんとも後味のない終わり方でしたね。
🎤 試合後コメント
「これはみんなに伝えたいことなんだ。負けても戻ってきたなら、その人は負けてなんかいない。勝者なんだよ」—— テオフィモ・ロペス(試合後インタビュー)
📣 Xポスト
興行主の公式アカウントが、ロペス自身に勝因を語らせた映像を投稿しています。「執拗なボディ打ちとジャブのコントロールでロリーを封じた」という本人の説明が、今日の試合内容そのままです。
BREAKING DOWN THE GAME PLAN! 💥 Teofimo Lopez reveals how relentless body shots and jab control neutralized Rolly Romero on his way to the WBA Welterweight World Title! 🏆 #RollyTeofimo pic.twitter.com/jcaRWA823t
— Premier Boxing Champions (@premierboxing) August 23, 2026
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こちらは「次の一手」について語ったロペスの映像です。
PLOTTING THE NEXT MOVE! 👑 Teofimo Lopez weighs in on what's next for his championship reign! 🥊 #RollyTeofimo pic.twitter.com/urikELQHOL
— Premier Boxing Champions (@premierboxing) August 23, 2026
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🎬 ハイライト動画
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📝 管理人の予想は当たりました
📝 管理人から
試合前のプレビュー記事で、私は「ロペスの判定勝ち(信頼度○)」と予想していました。理由に挙げたのは「1年以上のブランクを抱えたロメロが、ハングリーなロペスのプレッシャーと足の動きに対応しきれるか不安」という点。結果としてはまさにそのとおりの展開で、勝者・決着方法ともに的中です。ただ、5回にロメロの右フックであれだけ効かされる場面までは正直読めていませんでした。ロメロの一発は本物だと書いたのは合っていましたが、それを活かしきれなかったのも同じくロメロだった、というのが皮肉な結末でした。
🥊 同じ興行のその他の結果と、ロペスの次
セミファイナルのWBA中南米大陸ミドル級タイトルマッチでは、10戦全勝9KOのキューバ人王者ヨエンリ・エルナンデスがフランシスコ・ダニエル・ベロンに判定勝ち(99-91、98-92、95-95)。ただし、無敗のホープにしては物足りない内容だったという評価が目立ちました。
WBA世界スーパーバンタム級暫定王座戦では、ゲーリー・アントニオ・ラッセルがビクター・サンティリャンを大差判定で下して暫定王座を獲得。これはスーパーバンタム級の勢力図にも関わってくる一戦です。ほかにカルロス・ウトリアがイスラエル・メルカドに判定勝ち、前座ではマルコ・ロメロが1回TKO勝ちを収めています。
そしてロペスの次戦ですが、報道ベースでは、WBAが近日中に「セカンダリー王者ジャック・カテラルとの防衛戦」を指令する見通しだと伝えられています。ただし現時点でWBAからの正式発表は確認できておらず、あくまで見通しの段階です。続報が入り次第、あらためてお伝えします。
📌 まとめ
テオフィモ・ロペスが2-0のマジョリティ判定でローランド・ロメロを下し、ライト級・スーパーライト級に続く3階級制覇を達成しました。5回に大ピンチを迎えながら、そこから慌てずジャブとボディで組み立て直した戦い方は、20代後半に入ったロペスの成熟を感じさせるものでした。147ポンド級はライアン・ガルシアやコナー・ベンも動く激戦区。ここにロペスが加わったことで、来年に向けた組み合わせが一気に面白くなりそうです。




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