8月21日の後楽園ホール、リングの上ではなく入り口に元世界王者が立っていました。
手には「堤一派」のタオル。声をかけながら自分で手売りして、求められればその場でサインもする。角海老宝石ボクシングジム所属、無敗のまま16戦を戦ってきた堤聖也選手(30)が、故郷・熊本のために募金活動を行ったんです。
そして取材の中でもうひとつ、ボクシングファンとしては聞き逃せない話が出てきました。「今秋の復帰を目指して、もう実戦練習を始めている」——。ドネア戦で折れた鼻とともに一度止まった時計が、また動き始めています。
🥊 堤聖也(角海老宝石)
🥊 村上雄大(角海老宝石)
🥊 浦嶋将之(角海老宝石)
🥊 募金活動の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | 2026年8月21日(金) |
| 場所 | 後楽園ホール(角海老宝石ジム主催興行の会場入り口) |
| 目的 | 令和8年熊本地震(7月28日発生)の被災地支援 |
| 参加した選手 | 堤聖也/村上雄大(日本ライト級1位)/浦嶋将之(日本ランカー) ※3人とも熊本出身 |
| 寄付の中身 | 募金箱の設置+「堤一派」タオルの利益全額を義援金として寄付 |
🥊 「10年前は学生だったので何もできなかった」
堤選手は熊本市の出身。熊本にとっては2016年に続いて10年で2度目の大きな地震で、本人も「10年で2回の地震が来た」と言葉を選びながら故郷の状況を語っています。
「僕の家族や身内は問題なかったようだが、八代市に住んでいる友達らは大変だと思う」
「10年で2回の地震が来た。僕は10年前もこっちにいたので地震を経験していないが、みんなたくましいです」
—— 堤聖也(スポーツ報知)
そして、この一言がいちばん堤選手らしいなと思いました。
「10年前は学生だったので何もできなかった。今は多少なりとも何か行動できるようになったので、みなさんの力を借りてやらせてもらっています」
—— 堤聖也(スポーツ報知)
「自分の力で」ではなく「みなさんの力を借りて」。世界のベルトを腰に巻いた男の言い方じゃないくらい、腰が低いんですよね。
グッズの寄付は今回が初めてではなくて、8月9日からはスポーツブランド「A.G. SPALDING & BROS」とのコラボ商品「CYCLONE BOXING CLUB TEE」やタオル類も販売していて、こちらも利益の全額を寄付すると発表済み。会場での手売りは、その流れの延長線上にある行動でした。
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世界獲った男が自分でタオル売って、サインまで書いてんだぞ。裏方に任せときゃ楽なのに、自分でホールの入り口に立つっつうのがコイツの性根だ。覚えとけ。
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![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
え、しかも一緒に立ってる2人も熊本出身なんですか? 同じジムに3人も…すごい偶然ですね!
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村上は日本ライト級1位、浦嶋も日本ランカーだ。飾りで並んでるわけじゃねえ。熊本の看板背負って戦ってる連中が、そろって同じ日に立ったってことだよ。
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![]() トレーナー |
ちなみに村上選手は今月9日、立川で日本ライト級王座に挑んで惜しくも及ばず。その一戦はこちらの記事で詳しく書いています。悔しさが残っているはずのタイミングで、こうして並んで立っているのがまたグッときます。
🥊 ベルトはどこへ行ったのか——“休養王者”からいつの間にか1位に
ここからは、募金の話と同じくらいファンがモヤモヤしている部分です。
堤選手は2024年10月、当時のWBA世界バンタム級王者だった井上拓真選手に判定勝ちしてベルトを獲得。2025年12月には元世界5階級制覇王者のノニト・ドネア選手に2-1の判定で競り勝ち、2度目の防衛に成功しました。
ところが、そのドネア戦で鼻骨を骨折。今年春に計画されていた同級休養王者アントニオ・バルガス選手との団体内王座統一戦をキャンセルせざるを得なくなり、入れ替わる形で自分が休養王者に回ることになりました。ここまでは、まだ理屈がわかります。
問題はその先です。
| 時期 | 堤聖也の立場 |
|---|---|
| 2024年10月 | 井上拓真に判定勝ち → WBA世界バンタム級(正規)王者 |
| 2025年12月 | ドネアに2-1判定勝ちでV2。この試合で鼻骨骨折 |
| 2026年6月発表分 | 正規王者から休養王者へ |
| 2026年8月発表分 | 休養王者ではなく同級1位に |
報道によれば、この「休養王者→1位」への変更について、堤陣営には説明がないまま最新のランキングに反映されていたとされています。現時点で公式な説明は確認できていません。
その間に正規王座のほうは動いていて、7月20日の王座決定戦を制した増田陸選手が現在のWBA世界バンタム級(正規)王者。この試合についてもBoxGongで記事にしています。さらにその上にはWBAスーパー王者のジェシー・”バム”・ロドリゲス選手がいる、という三層構造です。
つまり、リングで一度も負けていないのに(16戦13勝8KO3分、負け星ゼロ)、ケガと団体の都合だけでベルトが手元から離れてしまった、というのが今の堤選手の立ち位置。ランキング1位ということは、逆に言えば挑戦権にはいちばん近い場所にいるということでもあります。
📣 本人と所属ジムのXポスト
募金活動については、堤選手本人が翌日にお礼のポストを出しています。
ご協力くださった皆様ありがとうございました!!! https://t.co/5IQrbfrIec
— 堤 聖也 (つつみん) (@GoodOzanari) August 21, 2026
※表示されない場合はこちらのポストから直接ご確認ください。
所属ジムの公式アカウントも、事前に告知していました。
堤聖也のほか、熊本出身の村上雄大、浦嶋将之も募金の呼びかけを行います! https://t.co/FLRSzXnIWC
— 𝐊𝐚𝐝𝐨𝐞𝐛𝐢 𝐁𝐨𝐱𝐢𝐧𝐠 𝐆𝐲𝐦. 角海老宝石ボクシングジム (@kadoebigym) August 20, 2026
※表示されない場合はこちらのポストから直接ご確認ください。
🎬 堤聖也の代表的な一戦(vsノニト・ドネア)
「そもそも堤聖也ってどんなボクサー?」という方は、この試合を見てもらうのが一番早いです。レジェンド・ドネアの強打を正面から受け止めながら、絶対に下がらずに削り合った12ラウンド。鼻を折られたのも、この試合でした。
▶ 動画が表示されない場合はYouTubeで見る(U-NEXT格闘技公式)
📝 管理人の予想
復帰戦は今秋、そして相手はランキング上位との「王座挑戦者決定戦」的な位置づけになると見ています(信頼度△/現時点で相手・日程とも未発表のため、あくまで管理人の読みです)。理由は単純で、堤選手は無敗のまま1位にいる=わざわざ格下と組む理由がないから。個人的にいちばん見たいのは、増田陸選手との日本人同士のWBA王座戦です。ドネアを削り切った打たれ強さと、増田選手のサウスポーの左ストレート。噛み合わないわけがないと思うんですよね。ただし今回いちばん大事なのは鼻の状態。ボクサーにとって鼻骨は呼吸に直結する部位なので、「軽い実戦練習を始めている」段階から本格スパーへどう上げていくか、そこは慎重に見守りたいです。
📌 まとめ
熊本市出身の堤聖也が8月21日、後楽園ホールで令和8年熊本地震の募金活動を実施。同門で熊本出身の村上雄大・浦嶋将之とともに呼びかけ、「堤一派」タオルの利益は全額を義援金として寄付する。
一方リングの側では、ドネア戦で負った鼻骨骨折の影響でWBA世界バンタム級の正規王者から休養王者へ、そして最新ランキングでは同級1位へ。無敗のままベルトだけが離れていった格好だ。
その堤も今秋の復帰を目指して実戦練習を再開。1位という位置は、裏を返せば返り咲きにいちばん近い場所でもある。
「10年前は何もできなかった」という言葉、地味だけどすごく重いなと思いました。あの頃の自分にできなかったことを、今の自分の名前でやる。それができる立場まで来たということですもんね。
秋、後楽園でも両国でもいい、堤聖也がまたリングの真ん中に立つ日を楽しみに待ちたいと思います!




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