トレーナーとして来日した男が、静岡のリングで世界に挑む 9・26ふじさんめっせでIBF世界ライトフライ級戦 王者タノンサックは40勝35KO

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ボクシングって、たまにとんでもない人生の話が出てくるんですよね。今回のこれは、その中でもかなり上位に来る話だと思います。

9月26日(土)、静岡県富士市の「ふじさんめっせ」で世界タイトルマッチが行われます。IBF世界ライトフライ級王者タノンサック・シムシー(タイ)に、同級12位のマーク・ビセレス(駿河男児)が挑戦する一戦です。

このビセレス、もともとは選手として日本に来たわけじゃないんです。1年半前、トレーナーとして駿河男児ジムと契約して来日した人。それが現役に戻り、日本で白星を積み、気づけば世界挑戦者になっていた。ちょっと出来すぎた話ですが、実話です。

タノンサック・シムシー

🏆 タノンサック・シムシー(タイ)

VS
マーク・ビセレス

🥊 マーク・ビセレス(駿河男児)

🥊 試合情報

項目 内容
試合日 2026年9月26日(土)13:00開始
会場 ふじさんめっせ 産業交流展示場(静岡県富士市)
興行名 ふじのくに Professional Boxing 9(主催・駿河男児ジム)
タイトル IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦(正規王座)
対戦カード タノンサック・シムシー(タイ/王者) vs マーク・ビセレス(駿河男児/同級12位)
メインイベント WBO-APスーパーフェザー級タイトルマッチ
大畑 俊平(駿河男児/王者) vs ペテ・アポリナル(比/同級11位)
配信・入場 駿河男児ジムのYouTubeチャンネルで無料配信予定/中学生以下は入場無料

🥊 タノンサック・シムシー ── 41戦して35KOという壊れた数字

まず王者の戦績を見てください。40勝35KO1敗。KO率が異常です。身長161センチ、リーチ164センチとライトフライ級としても大柄ではありませんが、右ストレートを軸にプレッシャーをかけ続けるファイタータイプ。タイ国内で数字を積み上げてきたタイプにありがちな「相手のレベルが……」という話をされがちですが、この王者は世界のリングでもきっちり結果を出しています。

昨年6月、フィリピンの強豪クリスチャン・アラネタに判定勝ちして空位のIBF王座を獲得。そして今年4月には、東京・後楽園ホールでメキシコのセルヒオ・メンドサをわずか2回でKOして初防衛を果たしました。世界戦は2勝(1KO)で無敗です。日本のリングでも一度勝っているというのは、今回の一戦を考えるうえで地味に大きい要素だと思います。

ちなみにタノンサックはグリーンツダジムの契約選手。日本の関係者にとってはかなり近い存在の王者なんですよね。

🥊 マーク・ビセレス ── 教える側から、挑む側へ

一方の挑戦者ビセレスは、フィリピン出身。冒頭にも書いたとおり、1年半前にトレーナーとして駿河男児ジムと契約して来日した選手です。リングネームは「Rasta Mac」。身長165センチと、王者よりわずかに大きい。

その後に現役復帰し、日本では3戦2勝1敗。そして今年4月、浜松で同じフィリピン人のカルロ・ディアスに判定勝ちして、空位だったOPBF東洋太平洋ライトフライ級王座を獲得しました。今回の世界挑戦が決まったことで、このOPBF王座は自動的に返上となります。

「日本でボクシングを始めた頃からの夢だった世界戦出場のチャンスをもらえてうれしい」
—— マーク・ビセレス(7月10日、静岡県庁での発表会見)

王者についての印象を聞かれると、「チャンピオンはプレッシャーが強くストレートが得意なファイター。トレーナーと相談してつかまらないようにしたい」と、いかにも指導者経験者らしい冷静な答え方をしていました。派手な啖呵は切らない。そのぶん、やるべきことは見えている感じがします。

そしてこの試合、勝てば静岡県内のジムから初の世界チャンピオン誕生です。前島正晃会長がジム設立以来ずっと掲げてきた夢が、フィリピンから来た元トレーナーの拳にかかっている。なかなかない構図です。

トレーナーから現役に戻る? 普通は無理に決まってんだろ。体は正直だからな。それをやり切って世界挑戦まで来たってことは、練習量が並じゃねえってことだ。侮るな。

トレーナー
トレーナー
初心者くん
初心者くん
え、そうなんですか? コーチをやってた人が世界戦って、映画みたいな話ですね……!

🥊 実はこの試合、日本のファンにも他人事じゃない

もうひとつ、この一戦を見逃せない理由があります。WBC世界ライトフライ級王者・岩田翔吉が、王座統一戦の相手候補としてタノンサックの名前をはっきり挙げているんですよね。

岩田は7月20日の初防衛戦で左手を骨折しながら11回TKO勝ちを収めた選手ですが(その経緯はこちらの記事)、復帰後のプランとしてIBF王者タノンサック、WBA休養&WBO王者レネ・サンティアゴ、ミニマム級から上げてくるオスカー・コラーゾの3人を挙げ、「全員とやりたい」と話しています。しかも9月26日の静岡についても「ファンからも戦ったら面白いとよく言われる。静岡にも見に行けたらいいかなと思っている」とコメントしていました。

つまりこの試合の勝者は、そのまま日本人王者との統一戦候補になる可能性がある。タノンサックが防衛すれば岩田戦の現実味が増しますし、ビセレスが勝てば「日本のジム所属の世界王者」が一人増えて、それはそれで話がややこしく、そして面白くなります。

🥊 メインは大畑俊平の初防衛戦

なお、この世界戦はセミファイナル扱いで、メインイベントは同じ駿河男児ジムの大畑俊平が務めます。今年3月にWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王座を獲得した選手で、今回が初防衛戦。相手は元OPBF王者のベテラン、ペテ・アポリナル(比)です。

大畑は「勝ちに徹したい」と控えめでしたが、中野裕司トレーナーが「ビセレス、大畑ともKOで勝たせる」と強気にフォローしていました。地元ジムの2枚看板が同じ日に世界とアジアのベルトをかけて戦う。興行としてのまとまりが本当にきれいです。

会場は子どもの参加するイベントが多い「ふじのくに祭り」の一環ということで、中学生以下は入場無料。小学生以下の女子を対象にラウンドガールも募集していたそうで、地域行事としての性格も強い興行になっています。

📣 両者のデータ比較(Xポスト)

※表示されない場合はこちらのポストから直接ご確認ください。

📝 管理人の予想

タノンサックのKO・TKO勝ちを予想します(信頼度○)。41戦して35KOという数字は、ライトフライ級では単純に脅威です。しかも今年4月に後楽園で2回KOをやっているとおり、日本の会場でもリズムを崩していない。ビセレスは「つかまらないようにしたい」と言っているとおりアウトボクシングで組み立ててくるはずですが、12ラウンドずっと当てさせないのは相当に難しい。中盤6〜9回あたりで捕まる展開を見ています。ただ、ビセレスがトレーナーとしての目を持ったまま戦えるタイプなら、序盤の数ラウンドで王者の癖を読み切って一気に流れを持っていく可能性もゼロではありません。そうなったら、それこそ静岡が沸きます。

📌 まとめ

9月26日、静岡・ふじさんめっせでIBF世界ライトフライ級タイトルマッチ。40勝35KO1敗のタノンサック・シムシーに、トレーナーとして来日して現役復帰したマーク・ビセレスが挑みます。勝てば静岡県内のジムから初の世界王者誕生。さらにこの試合の勝者は、統一戦を望む岩田翔吉の相手候補にもなり得るので、日本のファンにとっても他人事ではない一戦です。

YouTubeで無料配信の予定というのもありがたいですよね。9月26日、ぜひ静岡発の世界戦をチェックしてみてください!

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