昨年12月27日、サウジアラビア・リヤド。井上尚弥に12ラウンド戦い切って判定負けした、あのメキシカンを覚えているでしょうか。
アラン・デビッド・ピカソ。スコアは119-109、120-108、117-111の完敗でしたが、最後までガードを固めて前に出続けた姿は、日本のファンの記憶にも残っているはずです。試合後に井上本人が「今夜はよくなかったです」と反省の弁を口にしたのは、それだけピカソが崩れなかったからでもありました。
そのピカソが、8ヶ月ぶりにリングに戻ってきます。しかも階級をひとつ上げて。8月29日(日本時間30日)、地元メキシコ・ナウカルパンで、空位のWBCシルバー・フェザー級王座を賭けてマイコル・リンコン(コロンビア)と対戦します。
🥊 画像左がアラン・デビッド・ピカソ(メキシコ)
※WBC公式のプロモーション画像より(右は当時の対戦相手アザト・ホバニシャン)
🥊 試合情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試合日 | 2026年8月29日(土)/日本時間30日(日) |
| 会場 | サラ・ウルバナ(メキシコ・ナウカルパン)※ピカソの地元 |
| タイトル | 空位のWBCシルバー・フェザー級王座決定戦(※世界王座ではありません) |
| 対戦カード | アラン・デビッド・ピカソ(32勝17KO1敗1分) vs マイコル・リンコン(16勝8KO3敗2分) |
| 位置づけ | ピカソにとって井上尚弥戦以来8ヶ月ぶり/フェザー級への再転向初戦 |
まず前提として、これは世界戦ではありません。WBCの「シルバー」は世界王座の下位に位置づけられる王座で、世界ランキングを上げるための足がかりという性格のものです。そこは混同しないようにしておきましょう。
🥊 ピカソにとって「フェザー級」は出戻りの場所
26歳、メキシコシティ出身。通算32勝(17KO)1敗1分で、唯一の黒星があの井上戦です。
意外に思われるかもしれませんが、ピカソにとってフェザー級(126ポンド)は初めての場所ではありません。井上に挑戦する前の3試合は、いずれもフェザー級のリミットで戦っていました。つまり今回は「階級を上げた」というより「元いた階級に戻った」に近い。スーパーバンタム級での減量が相当きつかったのだろうな、というのが素直な見方だと思います。
もうひとつ、この8ヶ月の間に面白い動きがありました。今年6月6日、愛知県国際展示場でルイス・ネリがジョンリエル・カシメロに6度のダウンを奪われて4回TKO負けを喫した一件。あの後、同じメキシコ人としてピカソが「敵討ち」に名乗りを上げていたんです。
結果的にその話はまとまらず、フェザー級での再起という選択になりました。ただ、こういう「売り込み」を自分から仕掛けにいく姿勢は、井上戦で見せた前に出続けるスタイルとそのまま重なる気がします。
🥊 相手のリンコンは「勝ててないけど、倒されない」男
コロンビアのマイコル・リンコンは通算16勝(8KO)3敗2分。数字だけ見れば復帰戦の相手として妥当なところですが、中身を見ると意外と厄介です。
昨年11月、アルゼンチン・ブエノスアイレスで空位のWBOラテン・スーパーフェザー級王座を争ったアイルトン・オスマール・ヒメネス戦では、3ラウンドにダウンを奪いながら10回判定負け。今年4月18日にはコロンビア・ボゴタで、10戦全勝(9KO)の22歳ダグラス・ゴンサレス(ベネズエラ)と8回戦を戦って引き分けています。
直近2戦は勝ち星に恵まれていません。でも注目すべきは、キャリアを通じてKO負けが一度もないという点。アグレッシブに前に出て真っ向から打ち合うスタイルで、とにかくタフ。格上相手にも簡単には倒れない選手です。
8ヶ月のブランク明け、しかも階級を変えた初戦。相手が「倒れない」タイプというのは、実は結構な試練だと思うんですよね。
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ブランク明けで一番怖いのは相手の強さじゃねえ。自分の距離が思い出せねえことだ。しかも階級が変わりゃ相手の圧も変わる。序盤の3ラウンドを見りゃ、こいつの現在地が分かる。
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![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
え、そうなんですか? 井上選手と12ラウンド戦えた人なら、余裕で勝てそうな気がしちゃいますけど…。
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甘えんな。世界戦で12ラウンド殴られた身体は、見た目より削れてんだよ。あれから8ヶ月休んだのは正解だ。だがな、休んだぶん取り戻すのに時間がかかるってのも事実だろ。
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![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
なるほど〜! 地元開催なのも、そういう配慮なんですね。
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🥊 いまフェザー級はどうなっている?
ピカソが戻ってきた126ポンドは、日本のファンにとっても他人事ではない階級です。
WBA王座はブランドン・フィゲロアが保持していて、今秋アメリカで亀田和毅が挑戦する予定。WBO王座はラファエル・エスピノサが持っていて、10月31日サウジアラビアのカネロ興行で1位ロレンソ・パーラとの防衛戦が組まれる可能性が高まっていると報じられています。
さらに、井上尚弥の来年の去就も「ジェシー・バム・ロドリゲス戦がまとまらなければフェザー級に上げて5階級制覇」という選択肢が公に語られている状況。つまりこの階級、来年にかけて一気に人が集まってくる可能性があります。
ピカソがここでシルバー王座を獲れば、WBCの上位ランクに戻る足がかりになります。地味な一戦に見えて、意外と将来につながる試合なんですよね。
📝 管理人の予想
ピカソの判定勝ちと見ています(信頼度◎)。技術の総量が明確に違いますし、井上との12ラウンドで培った「圧をかけられても崩れない」経験は、リンコン程度の前進なら余裕を持って捌けるはずです。ただしKO決着は薄いと思っています。リンコンはこれまでKO負けゼロのタフガイで、ピカソ自身もフェザー級では17KOという数字ほど倒し切るタイプではありません。8-10ラウンドまでもつれる展開を予想します。むしろ注目したいのは中身の方で、フェザー級で戦うピカソが井上戦のときより明らかに動けているかどうか。そこが今後の伸びしろを測る物差しになると思っています。
📌 まとめ
昨年12月に井上尚弥へ挑戦して判定負けしたアラン・デビッド・ピカソが、8月29日(日本時間30日)に地元メキシコ・ナウカルパンで再起。空位のWBCシルバー・フェザー級王座を賭けてコロンビアのマイコル・リンコンと対戦します。8ヶ月ぶりのリング、そしてフェザー級への出戻り初戦。世界戦ではありませんが、井上と殴り合った選手の「その後」を確認できる一戦です。
負けた選手がどう立て直していくかを追いかけるのも、ボクシングの醍醐味だと思っています。日本時間8月30日、結果が出たらまたお伝えしますね!




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