7月20日、両国国技館。WBA世界バンタム級王座決定戦は、予想通りの大接戦になりました。
世界初挑戦の増田陸(帝拳ジム)が、4戦連続世界挑戦の比嘉大吾(志成ボクシングジム)を2-1のスプリット判定で下し、WBA世界バンタム級正規王者に輝きました。プロ12戦目、4年目での戴冠です。でも勝者も「まだベルトに見合うボクシングはできていない」と言い切るくらい、簡単じゃなかった。それが増田陸という男の正直さでもあります。
🥊 増田 陸(新王者)
🥊 比嘉 大吾
🥊 試合結果
| 日時・会場 | 2026年7月20日(月)両国国技館 |
| タイトル | WBA世界バンタム級王座決定12回戦 |
| 勝者(新王者) | 増田 陸(帝拳ジム) |
| 敗者 | 比嘉 大吾(志成ボクシングジム) |
| 決着 | スプリット判定(2-1) |
| 採点 | 117-111(増田)/ 117-111(増田)/ 113-115(比嘉) |
| レフェリー | ルイス・パボン(パナマ) |
🥊 ジャッジの採点
| ジャッジ | 増田 陸 ✓ | 比嘉 大吾 |
|---|---|---|
| 池原信人(日本) | 117 | 111 |
| 中村勝彦(日本) | 117 | 111 |
| Pinit Prayadsab(タイ) | 113 | 115 |
参考:BoxRec
🥊 ラウンド別採点
| R | 池原信人 増田 / 比嘉 |
中村勝彦 増田 / 比嘉 |
Pinit Prayadsab 増田 / 比嘉 |
|---|---|---|---|
| 1 | 10–9 | 10–9 | 10–9 |
| 2 | 10–9 | 10–9 | 9–10 |
| 3 | 10–9 | 10–9 | 10–9 |
| 4 | 10–9 | 9–10 | 9–10 |
| 5 | 10–9 | 10–9 | 10–9 |
| 6 | 10–9 | 10–9 | 9–10 |
| 7 | 9–10 | 9–10 | 9–10 |
| 8 | 9–10 | 10–9 | 9–10 |
| 9 | 10–9 | 10–9 | 9–10 |
| 10 | 9–10 | 10–9 | 10–9 |
| 11 | 10–9 | 10–9 | 10–9 |
| 12 | 10–9 | 9–10 | 9–10 |
| 合計 | 117-111 | 117-111 | 113-115 |
参考:BoxRec(太字=そのラウンドの勝者スコア)
🥊 試合内容——崩しきれなかった増田、食い下がった比嘉
試合後、増田は正直に言葉を選びながらこう語っています。
「最後まで前に出てきて、やりにくい感じがあった。すごい対策されていて、ガード固めていて、なかなか自分から当てにいくというのが難しい感じだった」
序盤は増田がシャープな左を使いながら試合を組み立てましたが、比嘉が前進を続けガードを固めての接近戦を挑んだため、増田の好打がなかなか決まらない展開に。中盤以降は増田が判定を見据えてポイントを積み上げる戦略に切り替え、比嘉が追いかける構図になりました。比嘉は目の上をカットしながら12ラウンド最後まで前へ出続け、グランドスラムを諦めなかった。
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117-111×2と113-115の割れ方が全てを物語ってる。2枚は増田が順当に積み上げたと見て、1枚は比嘉の前進・圧力・意志を評価した。「どちらが勝ってもおかしくなかった」というより、「スタイルの違いでジャッジが分かれた」試合だったと思う。
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![]() トレーナー |
![]() 初心者くん |
1枚のジャッジが比嘉支持というのは、それだけ比嘉が評価された内容でもあったんですね。
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🥊 増田陸の試合後コメント——「判定の瞬間は不安だった」
勝者・増田は試合後の会見でこう明かしています。
「判定の瞬間は不安な気持ちが正直ありました」
「改めてボクシングの厳しさを教わりました」
「まだベルトに見合うボクシングはできていない」
世界王者になってもなお自分への評価が厳しい。そこが増田陸という選手の誠実さだと思います。
増田は広島出身。母校・広陵高校を卒業して上京してから10年。天国へ旅立ったマネージャーへ「いい報告を」と誓っていた試合でもありました。そして2026年3月には元5階級制覇王者のノニト・ドネアを8ラウンドTKOで撃破して挑戦権を獲得——という劇的な流れの中での世界初挑戦。ベルトが「とても重い」と感じるのは当然かもしれません。
🥊 那須川天心、同門の快挙に「刺激受けた」
リングサイドで観戦していた帝拳ジムの同門・那須川天心も試合後にコメントを残しています。
「チームが勝つのはうれしい。同志として心の底からうれしく思うし、刺激を受けましたね」
「攻めどころの感覚がいい。自分でいろいろと変えられるところが直感タイプでいい」
「(増田に)つないでもらったので、しっかり僕がチャンピオンにならないといけないなと改めて思った」
那須川天心はWBC世界バンタム級1位として次の世界挑戦を狙っている位置にいます。同門の先輩が世界を獲った夜に「つないでもらった」と感じた——このくだり、なんか熱いですよね。
🥊 比嘉大吾の試合後——「真剣にやって負けたら悔しい」涙の会見
一方の比嘉大吾は、試合後の会見で言葉を詰まらせながら涙をぬぐいました。
「今の気持ちはそんなに甘くないんだなと思いました」
「やっぱり真剣にやって負けたら悔しい」
「前回の3試合より、自分で復帰を決めた以上は真剣に取り組んできたつもりだった」
「続けたいですね。続ける分は」
この一言が全てでしょう。「続けたい」——比嘉は泣きながらも、まだリングへの情熱を隠していません。
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負けて泣ける選手って、実はそんなに多くない。本気でやった証拠だから。比嘉が「真剣に取り組んできた」という言葉は嘘じゃない。それが伝わってくるから、ファンが比嘉の試合を外さないんだと思う。
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![]() トレーナー |
🥊 一夜明け——増田は「堤聖也と決着を」、比嘉は「休んでから続ける」
翌7月21日の一夜明け会見でも、両者は対照的なコメントを残しました。
増田陸は「自分の中では堤選手が王者」と、WBA同級休養王者・堤聖也への敬意を示しながらも、「真の王者はどちらか決めたい」「堤選手とこのベルトをかけてやりたい」と団体内統一戦への意欲を鮮明にしました。
「ベルトがとても重い」(増田、一夜明け会見)
一方、比嘉は一夜明けてこう語っています。
「ボクシングは休んでから続けると思う」(比嘉、一夜明け会見)
「負けたら引退」と言葉を事前に語っていた比嘉でしたが、一夜明けて「休んでから続ける」に変わりました。これが比嘉大吾というボクサーの「引退できない理由」なんだと思います。
🥊 次は増田陸 vs 堤聖也——WBAバンタム級の決着戦へ
堤聖也(角海老宝石ボクシングジム)はWBA世界バンタム級の「スーパー王者(休養王者)」という立場。同じWBAのベルトを持つ増田との団体内統一戦が実現すれば、「真のWBAバンタム級王者」を決める一戦になります。
増田はこの日の試合でも「堤選手が王者」と言い切った上で挑戦権を主張しました。堤側がこれを受ければ、国内バンタム級の頂上決戦が実現します。個人的に「これ絶対やってほしい」と思う一戦です。
![]() 初心者くん |
堤選手はどんな選手なんですか?
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角海老宝石ジム所属のサウスポー。スピードと打たれ強さを兼ね備えた選手で、増田とは因縁のあるライバル関係。堤聖也選手のプロフィールはこちらから読めるよ。
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![]() トレーナー |
- 増田陸がWBA世界バンタム級新王者に(スプリット判定2-1 / プロ12戦目・世界初挑戦)
- 採点:117-111、117-111、113-115——1枚は比嘉を評価
- 増田「まだベルトに見合うボクシングはできていない」「堤選手とこのベルトをかけてやりたい」
- 比嘉は会見で涙。「続けたい」→一夜明け「休んでから続ける」と現役続行を明言
- 那須川天心(帝拳・同門)がリングサイド観戦「つないでもらった、僕がチャンピオンにならないと」
- 次戦展望:増田陸 vs 堤聖也・WBA統一戦が最有力
参考:日刊スポーツ、スポーツ報知、デイリースポーツ(一夜明け会見)、イーファイト、東京日報(2026年7月21日)




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